これからマンションを買うのなら、資産価値が下がらないものを購入したいですよね。将来的に住み替えも視野に入れている場合、高値で売り抜ける物件を選ぶに越したことはありません。では、どんなマンションなら資産価値が下がりにくいのでしょうか。今回はその特徴について、さまざまな角度から見ていきます。
交通の便がよいなど人気のエリアであるか
アクセスについては資産価値のひとつの目安となり、アクセス良好であれば資産価値は下がりにくいといえます。詳しく見ていきましょう。
■駅近物件か
首都圏などの公共交通機関が発達している場所にとっては、どれだけ駅に近いかで物件の価値は大きく変わってきます。一般的には徒歩圏内と呼ばれるのは徒歩15分以内とされており、特に10分以内で駅まで行け物件は利便性が高いとされ、評価が高くなりがちです。
■大都市へのアクセスの良さ
また、最寄り駅が都心などへ1本で出られるかどうかも評価に直結します。駅近物件だけど、都心へは何度も乗り換えをしないといけないようであれば、資産価値としては低く見積もられてしまいます。また、複数路線が使える物件の場合は移動範囲が広がるため、資産価値として高くなる傾向があります。
■周辺環境の利便性の高さ
駅へのアクセス以外にも、コンビニや病院、学校、大型商業施設が近くにあると有利です。さらに細かい点として、坂道が少ないことや治安が良いことも価格決定の重要なポイントです。
■将来性のあるエリアか
これから大きく発展していく可能性があるエリアは資産価値アップが期待できます。たとえば、大規模再開発計画がある、周辺に新駅ができる、路線拡大で複数路線の乗り入れが予定されているなどです。
現在はそれほど発展していなくても、将来を見据えて栄えていく可能性があれば、そのエリアの物件には値上がりチャンスがあるでしょう。
希少価値があるかどうか
希少価値とは、その地域の他物件と比べてのストロングポイントです。希少価値があれば、たとえその地域の魅力が落ちてしまったとしても、その物件だけが生き残ることも可能です。どういった条件であれば希少価値が生まれるのか、いくつか事例を見ていきます。
■周辺にはない間取りの物件
たとえば、周辺に1LDKの物件しかないような地域では3LDKのファミリー向け物件は希少性があると言えます。競合する物件が少ないので、一定の需要が見込まれて価格が下がりにくくなります。
■景観の良さ
マンションでは景観の良さは大きなアピールポイントです。近年、特にマンションの高層化が進んでおり、景観の良さを家選びの重要なポイントに挙げる人が増えています。今後もその流れは続くものと考えられるので、景観の良い物件は価格が下落しにくいでしょう。
■付加価値のあるインフラや施設
ペット可やWi-Fi完備などは当たり前になりつつありますが、コンビニがマンション内に設置されている、24時間ジムが併設されているなどの物件も注目されています。コンビニ付きの物件は夜間に外出しなくてすむため女性にも安心で、セキュリティ面からも選ばれています。
建物のデザインや造りに重厚感があるかどうか
見た目の良さも物件を選びたくなる大きな要素でしょう。
■高級感のあるマンションは選ばれやすい
おしゃれな外壁になっていたり、エントランスの床に大理石が使われていたり、ホテルのように内廊下に絨毯が敷かれていたりと、高級感が漂う雰囲気のマンションは住む人の気持ちを満足させてくれます。値段よりも人生の充実感を取る人が増えている現代では、見た目の良さはこれからますます選ばれる要素になるはずです。
■大手のブランドマンションの根強い人気
皆さんも1度はブランドマンションのチラシを目にしたことがあるでしょう。高級そうな建物のイメージ画が使われ、ワンランク上の生活を印象付けてくれます。
また大手が運営しているため、管理体制もしっかりしているところがほとんどです。入居者にとっても「この不動産業者が建てた物件だから、間違いないだろう」と感じて購入している人が多いようです。
■デザイナーズマンションは人気がある
デザイナーズマンションとは建築家が設計したマンションです。注文住宅のように建築家がひとつひとつ設計しているため、基本的にはすべて一点ものです。そのため、建築家のこだわりが随所に見られ、とてもスタイリッシュな物件になっています。
おしゃれなだけでなく、あるコンセプトを基に作られているケースもあり、たとえば女性の住みやすさを追求したデザインになっているようなマンションも見られます。
管理体制やメンテナンス性が高いかどうか
資産価値という点では、長期に渡る管理体制やメンテナンスの状況は必ず確認しなくてはいけません。「マンションは管理を見て買う」という言葉があります。マンションの価値を維持していくためには、日々の適切な管理が必要不可欠なのです。
■共用部分の管理状況を確認する
適切な管理が行われているかは、共用部分の状態を見ればある程度は判断できます。エントランスやエレベーターホール、階段や駐車場などの清掃は行き届いているか、外壁などで補修が必要な箇所がそのまま放置されていないかなどを確認しましょう。
■長期修繕計画と積立金を確認する
しっかりとした修繕計画が作られているかも抜かりなく確認したい点です。中古マンションの場合、仲介業者には管理会社から修繕計画や積立金の状況を記載した重要事項説明書が提示されます。
購入を検討する場合、仲介業者に請求をすれば重要事項説明書を開示してもらうことができます。しっかりとした計画で適切な管理が行われるか資料を見て確認しましょう。
今回は、資産価値の落ちない物件を選ぶときのポイントをお伝えしました。チェックすべきポイントが多くて大変だと感じたかもしれませんが、もちろんすべての項目を満たしている必要はありません。メンテナンス状況などは必須事項ですが、そのほかのポイントはほかの物件との差別化ができているかという観点から挙げているものです。
その物件の資産価値が下落しにくいかは、ほかの物件よりも選ばれやすい特徴をしっかり持っているかにかかっています。ひとつでも明確な違いが打ち出せる物件であれば、競争に強い物件といえるでしょう。