30代になると、結婚や子どもの誕生などのライフステージの変化が起きやすくなります。そのタイミングで住宅を購入する人もいるでしょう。まだ30代なので親から資金援助を受けるケースがほとんどです。そのときに、贈与にも税金が課せられるようになっていることを知らないと後悔してしまいます。正しい知識を身に付けましょう。
住宅購入の資金援助は贈与税の対象になる
親から資金援助を受ける場合が多いでしょう。住宅を購入するときは、贈与税について知っておきましょう。
贈与にも税金が課せられるようになっている
親から住宅を購入するための資金援助を受けたときは、金額にもよりますが税金が課せられるようになっています。
贈与を受けた金額から110万円を差し引いた額に対して税金が課せられるので、一度に多くの金額を受け取らないようにしましょう。
住宅を取得するタイミングで資金援助されるケースが多い
マイホームに憧れを持つ30代に、住宅を購入する人が多くなっています。
20代の頃よりも収入が増加して資金面に余裕が出てきたとはいえ、40代や50代と比較すると収入が少ないケースが目立ちます。
また、結婚や子育てでこれから出費が多くなることが予想されるので、貯金をすべて住宅の購入に充てられないのが現状です。
そこで、住宅購入のお祝いの意味を込めて、親から資金援助されるケースが多くなっています。
そして、もう少し住宅のグレードを上げたいときや、最新の設備を導入するための費用が必要なときに親に資金援助を求めるときもあるでしょう。
贈与を受けることが悪いことではありませんが、すべての金額を受け取ったあとに、税金として納めなければいけないので、そのことを理解しておきましょう。
非課税になる制度をうまく活用しよう
上手に制度を活用することで、費用の負担を軽減できます。
一定条件のもとで贈与税が非課税になる制度がある
住宅を購入するときなどに、最大1,000万円まで非課税になる制度があります。こちらを有効に活用しましょう。
住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置という制度になります。
なお、省エネ等住宅を購入した場合は1,000万円、それ以外の住宅を購入した場合は500万円となっています。
また、誰から贈与を受けたのか明らかにしなければいけません。贈与する人の要件は、父母や祖父母などの直系尊属となっています。
非課税措置の効果
住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置という制度を活用した場合と、活用しなかった場合を比較して、効果を検証しましょう。まずは、活用しなかった場合を紹介します。
たとえば、父母や祖父母から500万円の贈与を受けた場合、48万5,000円の贈与税がかかります。
次に、活用した場合は48万5,000円を支払う必要はありません。制度を活用するだけで負担する費用が大きく異なるので、知っておくと損しないでしょう。
非課税措置を利用する際はここに注意!
4つの注意事項を紹介します。申告しなくても税務署に見つからないと考えてしまいがちですが、見つかるとペナルティが課せられます。
贈与税が0円でも必ず申告が必要
非課税の範囲なので、申告する必要が無いと思う人もいるでしょう。
しかし、申告は非課税の範囲でも行わなければいけません。
仮に申告することなく税務署の調査官に事実を知られると、贈与税を納めるだけではなく、無申告加算税と延滞税も支払わなければいけなくなります。
申告していれば、無申告加算税と延滞税を支払う必要がありません。無申告によってペナルティが課されるので、忘れずに期限までに申告しましょう。
小規模宅地等の特例が使用できない
過度な節税に該当するので、租税回避行為であるというように国税庁が発表しています。
そのため、平成30年4月1日から小規模宅地等の特例が使用できなくなっています。専門家からこちらを提案されたときは、現在使用できない旨を伝えましょう。
現金で贈与すれば税務署に見つからないのか
現金で贈与を受けると証拠が残らないので、税務署の調査官に見つからないのではないかと考える人もいるでしょう。
しかし、専門家はすぐに見破れます。住宅を購入した登記簿謄本を確認すると分かるようになっています。
抵当権を設定することなく住宅を購入していることが分かると、自己資金で住宅を購入したことになります。
30代で5,000万円の住宅を自己資金で購入できるというのは現実的ではありません。
また、住宅を購入した人の収入を税務署は調査できるので、親からの資金援助があったと思われても不思議ではありません。
住宅資金の贈与は相続争いの原因になる
相続は遺産の前渡しとして扱われるので、それを加味して親族で遺産を分けなければいけません。
しかし、相続を受けているのに受けていないと主張する親族が現れるなど、トラブルが発生しやすくなっています。
まとめ
住宅を購入するときは省エネ住宅にすると、最大1,000万円が非課税になります。このような知識を身に付けているだけで、自分の財産を守れるようになるのでインターネットなどで調べてみましょう。また、贈与税が0円であった場合や、親から現金で贈与を受けた場合でも、必ず申告しなければいけないので忘れずに行いましょう。無申告はペナルティが課せられます。