眺望の良さ、ステータス感、充実の共用施設など、高層マンションの人気の理由は多岐にわたりますが、一方で本当に快適なのか疑問が生じます。本記事では、高層マンションの魅力とデメリットを解説し、自身に合った住居選びをより確かなものにするための情報を提供します。高層マンションに憧れを抱いている方は、ぜひご一読ください。
高層マンションの定義とは
高層マンションとは、一般的に建築物の高さが31メートル以上で、階数にして約10階以上の集合住宅を指します。この定義は消防法や建築基準法によって提示されており、高さ31メートルを超える建築物を「高層建築物」と定義しているのです。
そして、この高層建築物のひとつとして高さ31メートル以上のマンションが位置付けられ、「高層マンション」と呼ばれています。高層マンションの建築には非常用エレベーターの設置や消防計画の作成、消防用水の確保など、厳格な規定が設けられているのが特徴です。
また、高層マンションの定義においては、地域の都市計画や景観への影響も考慮されます。都市の発展にともない、高層マンションの建築は周辺環境との調和を保つ必要があるからです。これにより、高層マンションの設置にあたっては地域の規制や要件を満たす必要が生じます。
一方で、地域によっては特定の階数や高さを超えることで「超高層マンション」と呼ばれる場合もありますが、この定義も一律ではありません。したがって、高層マンションと超高層マンションの境界については法的な定義が存在しない場合もあります。
高層マンションのメリット
近年、都市部の人口増加と土地の限られたスペースにより、高層マンションの需要が高まっています。こちらでは、高層マンションのメリットについて詳しく見ていきましょう。
眺望と採光のよさ
高層マンションは周囲の建物による遮蔽が少ないため、素晴らしい眺望を楽しむことができます。都市の景色や自然の美しさを一望することで、豊かな心地よさを提供してくれるのです。また、高層階に位置することで日当たりがよく、室内に自然光を取り入れることができます。
優れたプライバシー
高層階に住むことで、視線の心配をすることなく、プライバシーを保つことができます。低層階よりも高い位置にあるため、外からの覗き見や騒音の影響が少なく、静かな環境で生活できるでしょう。
優越感とステータス
高層マンションに住むことは、一種のステータスシンボルとなることがあります。周囲の建物よりも高くそびえることで、優越感を感じられるでしょう。また、高級な共用施設やサービスが備わっていることも、高層マンションに住む魅力のひとつです。
防犯面の利点
高層階に位置することで、窓からの侵入を防ぐことができます。高い位置にあるため、一般的な窃盗や不審者の侵入のリスクが低くなるのです。さらに、多くの高層マンションは防犯対策として、セキュリティシステムや監視カメラを備えており、安全性が高まっています。
豊富な共用施設
高層マンションには、屋上カフェ、トレーニングジム、スパ、プール、ラウンジなどの充実した共用施設が設けられているのです。これらの施設は、居住者の生活を豊かにするだけでなく、社交の場としても利用されます。
資産価値の向上
高層マンションは一般的に好立地に建てられることが多く、交通の便や利便性が高いため、資産価値の向上が期待できます。需要が高まる場所にあるため、購入時よりも高く売却できる可能性が高いです。
高層マンションは本当に快適なのか
高層マンションは眺望のよさやステータス感、充実した共用施設などのメリットから多くの人に魅力をもっていますが、一方でデメリットも存在します。デメリットも理解し、自身のニーズに合った住居選びをすることが重要です。
災害時の避難経路の確保
高層マンションに住む際は、災害時の避難経路が確保されているかを確認する必要があります。地震や火災などの緊急事態に備え、安全な避難経路が整備されていることが重要です。
とくに高層階に住む場合、階段を利用することが必要になるため、避難経路の確保が重要な課題となります。
エレベーターの待ち時間と乗下降時間
高層マンションに住む場合、エレベーターの混雑や待ち時間が発生することがあります。とくに朝や夕方のラッシュ時は混雑が激しく、エレベーターの利用に時間を要することがあるでしょう。
また、高層階に住む場合、エレベーターの乗下降にも時間がかかるため、忙しい日常生活においてストレスとなることもあります。
外部の音の影響
高層マンションに住む場合、高い位置にあるため外部の音が室内に響きやすいことがあります。とくに市街地や繁華街に立地する高層マンションでは、交通の騒音や夜の喧騒が気になるでしょう。快適な居住環境を求める場合には、遮音性の高い窓や壁の効果を検討する必要があります。
風の影響
最上階に住む場合、風の影響を受けやすく、強風時には窓ガラスが揺れることがあります。とくに台風などの気象条件が悪い日には、洗濯物が飛ばされることも。風による不快感や物の被害に対して注意が必要です。
高い家賃や物件価格
高層マンションは人気が高いため、他の住宅に比べて家賃や物件価格が高いことがあります。また、共用施設やサービスを提供するための管理費が高くなることもあるのです。経済的な負担を軽減するために、予算とのバランスを考慮する必要があります。
地震時の影響
高層マンションは地震時に揺れが大きく、エレベーターが一時的に停止することがあります。このような状況下で階段を利用することは大変な労力を要するため、高層階に住む場合は地震対策をしっかりと考慮しましょう。
まとめ
ここまで、高層マンションの定義や人気の理由、メリットについて解説しました。しかし、一方で本当に快適なのか疑問が生じます。眺望やプライバシーのよさ、充実した共用施設など魅力は多いものの、災害時の避難経路確保やエレベーターの待ち時間、外部の音の影響、高い家賃・物件価格などのデメリットもあるのは事実です。高層マンションは魅力的な要素が多くありますが、デメリットもあることを理解し、自身のライフスタイルや優先事項と照らし合わせて検討しましょう。
