「高層マンションと低層マンションの違いはなんだろう?」このような疑問をお持ちではありませんか?この記事では、高層マンションと低層マンションの違いを丁寧に紹介しています。それぞれのメリットとデメリットも解説するので、ぜひマンションを選ぶ際の参考にしてください。
建物の高さは建築場所の用途地域で決まる
建築物の高さは、自由に決めることはできません。地域ごとに建築する建物の高さの制限が定められています。そのルールの概要をご説明します。
用途地域とは
用途地域とは都市計画法に基づき、建物の高さや、つかいみちなどについて制限を定めた地域の総称です。用途地域は合計で13の地域あり、大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3タイプに分類できます。たとえば、住宅や学校が建っている地域に、工場が建設されてしまうと、穏やかな住環境に悪影響が出るかもしれません。秩序ある暮らしを守るために用途地域があります。
マンションの規模は用途地域によって決まる
高さに加えて、用途地域によって制限される主な事項は以下のとおりです。
・建ぺい率…敷地面積に対する建物の建築面積の割合
・容積率…敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合
マンションの規模は、用途地域によって制限された高さや建ぺい率、容積率によって決まります。
高層マンションと低層マンションではどこが違うのか
高層マンションと低層マンションというと、建物の高さの違いが思い浮かびます。ほかに違いはあるのでしょうか?ここでは、高層マンションと低層マンションの違いや特徴についてご紹介します。
階層の違い
高層マンションと低層マンションの階層の違いに、明確な区分はありません。一般的に1階~5階建てまでのマンションを「低層」、6階建て以上を「高層」といわれています。また、4階~5階建てのマンションを「中層」と呼ぶこともあるようです。
高層マンションの特徴
高層マンションの特徴としてもっともメジャーなのは、その眺望です。晴れの日は広く空が見渡せ、都市部であれば夜は美しい夜景を見ることができます。高層マンションが建設されるのは開発中の地域が多く、商業施設や駅などが身近に整備されていて、生活の利便性が高いことも特徴の1つです。
低層マンションの特徴
低層マンションの多くは「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」の用途地域に建てられています。この2つの用途地域に建築可能なのは、戸建や低層のマンションなど、ほとんどが住居系の建物です。同じような高さの住宅が建ち並ぶエリアであり、高い建物の建設はシビアに制限されています。日差しをさえぎるような建物がなく自然が多いため、低層マンションの立地は、閑静な住環境に多いといえるでしょう。
どちらにもメリット・デメリットがある
高層マンションと低層マンションには、それぞれメリットとデメリットがあります。
高層マンションのメリット
高層マンションのメリットは、高階層のため周りに日の光をさえぎる建物がなく、採光に優れることです。また、高階層になるほど虫が飛べない高さになるため、害虫の侵入がなくなることも魅力。2つめは、設備やサービスが充実していることです。高層マンションは、一般的なマンションに比べて、ラウンジやジム、キッズスペースといった共用のサービスが充実していることが多くなっています。あわせてセキュリティ性能が高いことも嬉しい点です。
高層マンションのデメリット
高層マンションで生活するために不可欠なのが、エレベーターです。一般的なマンションに比べ、エレベーターの待ち時間が長くなることがデメリットになります。とくに朝の通勤時間には、ゆとりをもって行動しなければなりません。また、高層マンションは地震の揺れの影響を受けやすいこともデメリットの1つでしょう。自家発電を備えていないマンションの場合、災害などで停電すると、階段を利用しなければならないことも注意が必要です。
低層マンションのメリット
低層マンションのメリットは、落ち着いた住環境が確保されていることです。周辺には公園や住宅街などが多く、住み心地のよい閑静な町並みが広がっています。また、低層のためエレベーターの待ち時間も短く、階段が利用しやすいことも魅力の1つです。災害が発生した場合でも、屋外に避難しやすくなっています。
低層マンションのデメリット
低層マンションは高層マンションに比べて、総戸数が少ない傾向にあります。そのため、マンションの共用スペースを維持するための管理費が高くなりがちです。また、低層マンションが建てられるエリアは、駅から離れていることが多く、商業施設が近隣にないケースがあります。通勤や通学、買い物には少し手間がかかるでしょう。
まとめ
今回は、建物の高さを決めている用途地域の概要や、高層マンションと低層マンションの違いをご紹介しました。高層マンションと低層マンションには、それぞれメリットとデメリットがあります。自分がどのような住環境を求めているか整理して、そのニーズとマッチするマンションのタイプを選ぶことが大切です。この記事を参考に、ご自身にぴったりのマンションを選んでください。