マイホームを購入したいとき、戸建てにしようかマンションにしようか迷う方もいることでしょう。それぞれにメリットとデメリットがありますが、決断の鍵になるのは費用面・ライフスタイル・資産価値です。
そこで今回は、これら3点にフォーカスして戸建てとマンションのどちらがお得かを比較していきます。
購入する際の価格帯で比較する
マイホームを購入する際は、なんといっても費用が大きくなるので注目する方も多いことでしょう。人生で最も大きな買い物などと言われるように、物件の価格帯は重要なポイントになります。はじめにマイホームを購入する際に発生する費用についてチェックしていきます。
双方に共通してかかる費用
マイホームを購入する際は目に見える費用のみならず、各種税金や手数料などが発生します。そこではじめに戸建て・マンションのどちらを購入したとしても共通する必要な費用をチェックしていきましょう。
主な費用としては、契約書に貼付する印紙代、登記費用、信用会社への保証料や手数料、担保設定費用(融資の場合)、火災保険料などが挙げられます。また、マイホーム取得後に固定資産税・都市計画税・不動産取得税などの税金も発生します。
戸建てのみにかかる費用
戸建ては新築・中古に関わらず、不動産会社などの仲介のもと購入した場合は仲介手数料が発生します。仲介手数料は、「物件価格×3%+6万円」が一応の目安で、契約時または物件の引き渡しのときに支払うことが多いです。
また、土地を購入してから戸建てを建てる場合は、家が完成するまでの間も土地代のローンを支払わなければなりません。一口に戸建てといっても土地を購入して建てるのか、新築・中古に関わらず分譲住宅を購入するかでは、発生する費用も変わってきます。
マンションのみにかかる費用
マンションは、購入する際の費用とは別に「修繕積立金」が必要です。修繕積立金とは建物の大規模な修繕や共用部分の変更などマンションそのものの修繕に充てるための準備金です。本来は毎月積み立てるものですが、月々の負担を軽減するために引き渡しのタイミングで一定額を集めるところもあります。
修繕積立金が低額の場合は月々の負担は軽くなりますが、のちのちマンションのメンテナンスをしたいときにお金が足りないなど、建物の維持存続に影響することも考えられます。そのため適正な金額で徴収されることが望ましい費用です。
また、車を所有する場合は駐車場代が必要です。金額は立地や物件にもよりますが、月極もしくは年払いなどで支払う費用になります。
購入後のライフスタイルで比較した場合
それぞれのマイホームを購入したあとの生活面について比較していきます。実際に住んでみたときのことを考えて想像してみてください。
戸建てのメリット
二階建てや三階建ての物件だったとしても戸建ては建物そのものが独立しています。そのため、上下階からの騒音があったとしても同居する家族のものとなり、他人からの騒音被害は受けにくいです。ただ、近隣住民との間で騒音トラブルが全くないわけではありませんが、マンションほど騒音を身近に感じることは少ないでしょう。
次に庭付きの戸建てを購入した場合は、庭のある暮らしを楽しめることもメリットです。子どもの遊び場はもちろん趣味を活かせる場としても活用できます。同じように敷地内に駐車場を作るか、駐車場付きの物件を購入すれば、無料駐車場として自由に利用できます。維持・管理は自分でしなければなりませんが、駐車場に空きがないといった事態も回避できるでしょう。
そして1階建て2階建てなどのように自由度の高い間取りに変えられることも戸建てならではのメリットです。購入時は2階建てだったけれど一部をリフォームして吹き抜けにする、といったことも可能です。さらに建物が独立しているのでプライバシーの確保にもよいでしょう。
マンションのメリット
マンションの多くは駅から近い立地に建てられ、利便性のよさがあります。本来は便利な土地ほど土地代が高騰しますが、1つの土地に複数世帯が集まるマンションなら、1世帯あたりの土地代は手が届く価格になることが多いです。土地代が安くなる点は戸建てよりも費用を削減することにつながります。
また、近隣に高い建物がなければ日当たりがよく、中層階から高層階を選べば周囲の眺めもよいことでしょう。5階以上の高層階に住む場合は、真夏に窓を開けていても虫が入りにくく、光熱費の削減にも貢献します。
そしてマンションのほとんどはエレベーターがあり、階段を使わずにそのフロアを移動できることが多いです。バリアフリーとなっている物件も多いことから幅広い方々に優しい設計となっています。さらに、監視カメラやオートロックなどの防犯設備が充実していることや、管理人が常駐しているためセキュリティ面がよいこともマンションに住むメリットといえるでしょう。
将来的な資産価値を比較する
ここまでマイホームを購入する際の費用と戸建て・マンションそれぞれに住んだ場合のメリットを紹介してきましたが、マイホームを取得するうえでは資産価値も重要なポイントになります。
土地はもちろん建物に対する評価は地域相場により変動しやすい面もあるでしょう。土地公示価格などでおおよその判断ができるとしても、将来的な部分は未知数なところもあるので、ここではそれぞれの将来的な資産価値を見ていきます。
戸建ての資産価値について
一般に戸建ては新築したときを基準に20年で15%まで価値が下がり、30年で建物の価値がなくなると言われています。しかし、建物をリフォームしたり建て替えたりすることで住み続けることは可能です。
建物の資産価値がなくなったとしても土地の価値が下がるわけではないので、ある一定の資産価値は保つことができるでしょう。もしも、戸建てを売却する場合、土地と建物を一緒に売り出すと売却価格はどうしても高くなります。また買い手が見つかるまで時間が掛かる可能性があることを含めると、この点は戸建てならではのウィークポイントといえるでしょう。
マンションの資産価値について
マンションは1世帯あたりの所有土地価格は戸建てに比べてわずかであり、建物が老朽化するほど資産価値は下がっていきます。しかし定期的なメンテナンスが行われていてビンテージマンションなどのようにブランド化されていたり、地域の再開発などでマンション価格が購入時よりも高くなっていたりすれば、それなりの資産にはなります。
資産価値が下がったとしても、周囲の状況次第では資産価値が全くないとはいい切れないでしょう。将来的に売却するとしても賃貸にするとしても、購入時よりも付加価値をつけることができれば資産価値をわずかでも上昇させることができます。
まとめ
今回はマイホームを購入する際に、戸建てとマンションのどちらがお得かを両者を比較しながらお伝えしてきました。どちらも費用がかかり住んでからのメリットがそれぞれありますが、自身のライフスタイルに合うことに重きを置いて検討することが大切です。
「独立した建物で近隣の騒音を気にせず暮らしたい」「駐車場の空きを気にせず暮らしたい」「庭付きの家がほしい」といった方には、戸建てが適しています。しかし、将来的にその家に住む人がいなくなれば空き家になってしまうことや、再開発などで立ち退きを求められる可能性もあるでしょう。
その一方で「将来的に高齢となった場合でも安心できる環境で暮らしたい」「日当たりがよく周辺地域の眺めを堪能しながら気分よく過ごしたい」「駅から近くて移動や買い物に困らないといった日常の暮らしが欲しい」といった方は、分譲マンションが適しています。近隣地域の再開発があるエリアならマンションそのものの資産価値の上昇も期待できます。
こうしたことからマイホームを購入する際は、住みたい地域の将来性も視野に入れて検討することをおすすめします。