頭金は、住宅ローンを組む前に先に支払う内入れ金のようなものです。頭金の支払いによって借入額が減るというメリットがありますが、頭金の額に決まりはありません。最近では頭金なしで住宅ローンを組む人も増えており、実際にマンションを購入する際にはいくら支払うべきか悩んでしまいます。今回は、マンション購入の頭金について解説します!
頭金とは
マンション購入時の頭金について解説します。
■マンション購入の頭金とは?
マンション購入の頭金とは、契約時に購入代金の一部を支払うことです。たとえば3,000万円のマンションを購入する際に頭金として1,000万円を支払いしていた場合、住宅ローンの借入金額は2,000万円になります。
■手付金を頭金の一部とするケースが多い
手付金とは、マンションの売買契約を締結する際に、契約成立を証明するものとして売主に支払いするものです。引き渡しまで問題なく進めば手付金は頭金の一部として購入代金に充てられ、万が一買主の事情によってあとから契約を解除することとなった場合には、手付金の返還はありません。反対に、売主の事情によってマンションが購入できなくなった場合には、売主は手付金の2倍を支払うこととなっています。
頭金はどれくらい用意すべきなのか
頭金の支払いはどの程度が相場なの?と疑問に思う人も多いですよね。ここでは、頭金はどのくらい用意すべきなのかについて詳しく解説します。
■頭金の目安は購入金額の10~20%
頭金の目安として提示されるのは、購入金額の10~20%であることが多いです。新築分譲マンションの購入には平均4,500万円かかることを考えると、頭金は最低でも4,500万円程度支払うことができれば安心です。また、頭金を支払うために貯金を貯めていても、全額を支払ってしまっては手元に残る金額がありません。貯蓄額から考えると、半分ほどを頭金とするケースが多いです。4,500万円を頭金として支払うには、900万~1,000万円ほどの貯蓄が必要になります。購入金額や貯蓄額など、さまざまな面から考慮して頭金の金額を決めましょう。
■頭金は0円でもいい?
最近では「頭金なしで購入できる」といった謳い文句をよく見かけます。頭金は絶対に支払わなければならないものではないため、頭金が0円でも問題ありません。住宅ローンはさまざまな借入の中でもとくに金利の安いローンであり、借入金額が大きくなっても金利負担が重くなりすぎません。また、頭金を支払わないことで手元資金を充分に残しておけるといったメリットもあります。
しかし、その分毎月の返済額は重くなったり、そもそも借入希望額の満額では融資できないといわれてしまったりする場合もあります。3,000万円のマンション購入時に「借入限度額は2,500万円まで」といわれてしまうと、残りの500万円は自分たちの手元資金で支払うか、親族から借りることになってしまいます。「頭金0で購入できる=貯蓄0で購入できる」というわけではないことを理解しておきましょう。頭金の支払い有無や金額の大小にかかわらず、ある程度の貯蓄を用意してからマンション購入に踏み切るのが無難です。
頭金の金額を決める際の注意点
頭金の金額を決める際、注意すべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか?以下では、金額を決める際の注意点を3つご紹介します。
■諸費用や手数料の金額を確認する
マンション購入にかかる価格が3,000万円であった場合、ぴったり3,000万円を用意していれば足りるわけではありません。マンション購入には仲介手数料や印紙税、登記費用などのさまざまな費用がかかります。これらの諸費用はマンション本体の価格の3%~9%が目安となるため、3,000万円の物件であれば、別で90万~270万円ほど準備しておく必要があります。
■引越し費用や家賃の支払いも忘れずに
まだ完成前の新築分譲マンションの場合、契約から引き渡しまでには1年以上かかるケースもあります。その間は当然ですが引越し前のアパートなどの家賃の支払いが必要であり、また、家具家電を新調する場合には購入費用や処分費用もかかります。マンションの引き渡し後に前の家から家具家電を運ぶ場合は、住宅ローンの返済とアパートの家賃を二重に支払わなければならない月もあるでしょう。頭金の金額を決める際には、これらの費用も考慮して計算するようにしてください。
■無理のない資金計画かどうか
先述の通り、頭金は貯蓄額の半分が目安です。また、頭金の支払い時に手元に残しておく目安金額は、手取り月収の3、4か月分ともいわれています。無理な資金計画で頭金を支払い過ぎてしまうと、病気や事故など予想外のでき事に対応できない可能性もあります。貯蓄額が明らかに足りていない場合は、マンション購入を見送るのも一つの選択肢です。
今回は、マンション購入時の頭金やその金額の決め方、注意点を詳しく解説しました。頭金は必ず支払わなければならないものではありませんが、頭金を支払わない場合でも、万が一のための充分な貯蓄は必要となります。また、マンション購入は本体価格さえ用意すればOKというわけではなく、そのほかの諸費用にもまとまった金額が必要です。先を見越してどれだけ資金が必要となるかを計算しておき、無理のない資金計画を立てましょう。